残念ではありますが、順調に育っていた畑のピーマンや甘唐辛子も様子がおかしくなってきました。
状況を整理しておきましょう。
症状まとめ
1)ハラペーニョ
はじめに定植した激辛系トウガラシの最後の生き残りです。
一時期低温と強風でボロボロになりましたが、ようやく復調してきました。
ただし、葉に細かいモザイクと萎縮がでています。
この株は生長点の黄化はありません。
2)ピーマン「京波」
ハバネロ・オレンジを撤収した後に植付たピーマン。
順調に生長し、「さすが国内向けの品種だ!」と思っていたのですが、この株にも新芽の軽い萎縮とモザイク、生長点の黄化が始まっています。
3)ししとう「翠臣」
ししとう「翠臣」は極めて順調に生長しています。
収穫の稼ぎ頭ですが、よく見ると葉にもやもやっとしたモザイクができています。
せめてこの株だけは守りたかったのですが・・・。。
4)ピーマン「エース」
「京波」同様に順調だったピーマン「エース」。
当初から葉には若干の萎縮がありましたが、梅雨に入ってから葉の萎縮とモザイクが強くなってきました。
5)カラーピーマン「レッドランプ」
最近生長が遅くなっている「レッドランプ」は葉脈に沿ってモザイクができています。
新芽の色が薄いことも気になります。
6)こどもピーマン
こちらも生長点を中心にモザイクがでてきました。
生長点のつぼみも黄色く変色しており、これはすぐに落ちますね。
7)鷹の爪
鷹の爪は新芽が落ち、生長がしばらく止まっていました。
最近再成長を始めたのですが、葉の萎縮とモザイクが強く出ています。
さらに特徴的なのは柳葉になっていることです。
この変化の過程はキュウリモザイクウイルス(CMV)と同じです。
8)万願寺とうがらしB
初代がネキリムシにやられてしまったため、再度植付た二代目万願寺トウガラシです。
まだ定植から日が経っていませんが、既にモザイクが出始めています。
ゴワゴワの生長点も気になります。
9)伏見甘長とうがらし
こちらも順調だったのですが、最近モヤッとしたモザイクができはじめ、一部が黒く壊疽しています。
以上、畑で栽培しているトウガラシ類9品種ですが、全ての株にモザイク病らしき症状が出ています。
いやはや・・・もう。。
ベランダ菜園は?
ベランダのトウガラシはどうかというと
10)ハバネロ・レッドB
11)ハバネロ・オレンジB
12)ひもとうがらし
13)鷹の爪(30円)
鷹の爪はキダチトウガラシ種特有の一気に爆発するような結実で生長点がよくわかりませんが、ベランダ菜園の品種は全て葉がツヤツヤしっとりとしており順調に育っています。
その差歴然ですね。
市民農園の他の畑はどうなんだろう?
さて、どうしましょうかコレ。
市民農園を一周回って確認してきましたが、ピーマン/ししとう/トウガラシなどのトウガラシ類は全て私の畑の株と同じような状態でした。
モザイクがあり、萎縮があり、生長点が黄色い。
どうやらこの市民農園には土着のモザイクウイルスが存在するようです。
土壌を休ませることなく、育てたい野菜を矢継ぎ早に連作する市民農園です。
病気にかかっても枯れるまで放置する人もいます。
発生してしまった病気は次のシーズンへと受け継がれていくのでしょう。
やはり市民農園は厳しい環境ですね。
問題はどのようなモザイクウイルスかです。
特定のウイルスにかかると他のウイルスにかかりにくくなるという特性がありますが、これを利用して意図的に弱毒性のウイルスを伝染させる「生物農薬」という手法があります。
それと同じ考え方で被害が少ないウイルスであればそのまま栽培しても良いでしょう。
トウガラシ類に感染するウイルスは
・トウガラシマイルドモットルウイルス(PMMOV)
・タバコモザイクウイルス(TMV)
・キュウリモザイクウイルス(CMV)
・トマト黄化えそウイルス(TSWV)
などなど多種多様で、同じウイルス区分でも症状の異なるものもあります。
同一ウイルスでも品種の違いで症状が変わることもあります。
この辺りは風邪やインフルエンザと同じですね。
このため市民農園のように多品種を栽培するような環境では到底同定は出来ません。
私の畑だけでも出ている症状が3種類程度に分類できますので、複数のモザイクウイルスが存在すると思っておいたほうが良さそうです。
さーて、この状況をどうしましょうか
いろいろ探ってみましたが、どうやらこの市民農園では野菜の様子が悪くなっても、「なんか調子が悪いんですよねぇ」などと言いつつもそのまま育てるというのが一般的のようです。
逆に病気の症状が出たからといって「病気が疑われる株はさっさと抜け!」というようなことも言われません。
農家のように全て抜いて消毒をするようなことも現実的ではありませんし。
全ての市民農園がこのような扱いなのかはわかりませんが、ここではそんなニュアンスを感じ取れます。
全ての株を抜き、夏の太陽熱で土壌を消毒することも考えましたが、この市民農園ではそれはやり過ぎのようです。
腑に落ちませんが、市民農園では病気にかかろうが枯れないかぎりそのまま育てるのが正解のようです。
うーん・・・。。
なんでしょうか、考えれば考える程自分専用の畑が欲しくなりますね。
コメント
突然で失礼します。
山の中腹にある畑で家庭菜園をしています。実はウイルスで検索しいているうちにここにたどり着きました。
ししとう類の葉、みごとにモザイクですね。実はうちの家庭菜園も同じ状況です。なんと、雑草にまで同じモザイクの葉になっています。
最初は自家採種のジャガイモの葉がモザイクになりました。あわてて、抜いたのですが、近くで育てていた2株のズッキーニの葉が順番に同じようにモザイクになり、有機栽培でも使える予防の薬をまいてはいますが、周りの作物もモザイクの葉をになり、気づいては抜くを繰り返しています。
みな、元気に育って(モザイクの葉も茂って)収穫もできているのですが、何故か葉がモザイクになるのです。
記事をかかれた後は皆、苗を抜いたのですか?それとも、そのまま栽培?
その後次の栽培は?土は消毒か何かされました?とっても気になったので、コメントさせて頂きました。もし何かその後のアドバイス等あれば嬉しいです。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
当時はモザイクウイルスに対する知識が足りておらず枯れるまで粘りました。
よくなかったですね。
連作を繰り返している市民農園ですのでいろいろなウイルスが蔓延しているようです。
残渣は撤去しましたがそれで解決したとはいいがたい状況です。
この後で土を上下に入れ替える天地返しを行ってみましたがこれもダメでしたね。
ウイルスには特効薬がありません。
一番の対策は近い品種の連作を避けることと言われています。
しかし狭い畑ですので3年から5年と言われるとなかなか実践できません。
私の場合は、寒波/大雨/強風/水と肥料の与えすぎで苗が弱り、そこにアブラムシなどの害虫がつき、ウイルスに感染するというパターンが多いと感じています。
そのことから、健康な人がウイルスに感染しにくいように苗も健康に保ち免疫力を高めてやることも大切だと思います。
「病気にかからないように健康に育てる」という本末転倒な回答になってしまいましたが、人とインフルエンザウイルスの関係に当てはめてみるとモザイクウイルスが蔓延した原因が見えてくるのかもしれません。
今年のジャガイモは珍しくモザイク症状が出ませんでした。
過湿になりがちなマルチをやめ、水やりと肥料を減らした効果でしょうか。
私の畑の場合、過度な水と肥料が病気の引き金になるようですね。
コメントを有難うございました。
<私の畑の場合、過度な水と肥料が病気の引き金になるようですね。
と最後に記載されているように、
<寒波/大雨/強風/水と肥料の与えすぎで苗が弱り
ていたということなんですね。
でも、
<今年のジャガイモは珍しくモザイク症状が出ませんでした。
ということは、
<マルチをやめ、水やりと肥料を減らした効果
が結果施した内容になるわけですね。
内の菜園に当てはめると、これから、夏場なので週一回の菜園活動のため、水遣りは減ります。
あとは肥料を与えすぎないことですかね。そして、
ウイルスがでるのは仕方ないと思いながら、連作をさけて続けるしかないようですね。少し、諦めも入りますが、菜園活動続ける気になりました。
理解しやすいコメント有難うございました。
また、記事を参考にさせていただきます。