ピンと張ったはずのマルチがしばらくするとたるんでしまう。
私の畑でもそんな症状が起きています。
耕した直後で空気をたくさん含んでいた畝が徐々に沈み込むためではないかと考えていましたが、どうやらそれだけではなかったようです。
たるみが消えた日
マルチのたるみは見苦しいだけではなく、強風が吹くとバサバサと風をはらみ、穴から空気が入り込んで保温保湿効果が薄れてしまいます。
こんな有様でマルチの張り直しも覚悟していたのですが・・・。
ある雨の日に畑を見てみると、マルチはピンと張っており、たるみがなくなっていました。
むしろ突っ張り気味です。
しかし数日後には元通りにだらしなくたるんでいます。
これは一体どういうことでしょうか?
マルチがたるむ原因とは?
考えられる原因は3つ。
1)耕して空気を沢山含んだ畝の沈み込み
2)乾燥による畝の収縮
3)温度変化によるマルチの膨張
1)耕して空気を沢山含んだ畝の沈み込み
耕した直後の畝は空気を沢山含んでフカフカです。
しかし、時間とともに徐々に土の粒子間の隙間が詰まり沈んでいきます。
畝は小さくなるのです。
このため耕した直後にマルチを張るとたるみやすいのです。
しばらく放置し畝が落ち着いてからマルチングをしましょう。
2)乾燥による畝の収縮
土壌は一般的に土と空気と水分がそれぞれ2:1:1の割合で存在すると言われていますが、ここに雨が降ったらどうなるでしょうか。
雨は土壌の表面から重力と毛細管現象でどんどん吸収されていきます。
そして許容以上に水分を取り込むから土が緩むのです。
こうして畝は雨が振ると膨らみ、乾燥すると小さくなる、ということです。
日照り続きでカラカラに乾燥した大地にヒビが入るのはこのためですね。
つまり雨の降った直後の畝が大きいタイミングでマルチングをすると、地中の水分量が適切になったときにマルチがたるむという症状がでてしまいます。
3)温度変化によるマルチの膨張
一般的に物質は温度が高くなると体積が大きくなり、低くなると小さくなります。
マルチも同様です。
実験してみましょう。
常温で30cmのマルチを40℃のお湯に漬けてから長さを測定してみました。
30cmを少し超えていますね。
次に0℃の氷水に漬けてみましょう。
今度は30cmを少しだけ下回りました。
このように温度変化でマルチの大きさは変化しています。
この実験から推測すると、長さ4mの畝であれば0℃と40℃では1cmほど変化することになります。
「最後にもうちょっとだけ引っ張る」という程度の些細なレベルですが、この収縮も忘れてはいけません。
たるみを減らすマルチの張り方
上記を踏まえてまとめると、
1)畝を作ってから土壌が落ち着くまで1週間程度待つ
2)その間に一度雨が振るとベスト
3)マルチは天気の良い日に暖めながら張る
4)土壌が過度に湿っていないときに張る
これがたるみにくいマルチの張り方、ということになります。
本当にたるみが無くなるかの確認は次シーズンの土作りで行う予定です。
楽しみにしておきましょう。
ということは、「畑の水分の過不足はマルチのたるみ具合を見れば推測できる」ということでもありますね。
そういう目線でもしばらく観察してみます。