必要な肥料の量を計算し、用意しておきましょう。
肥料はどのように使う?
今回はトウガラシをメインに育てますので、ナス科に適した溝施肥(みぞせひ)という手法を使います。これは畑全面に肥料や堆肥を撒くのではなく、畝につくった溝にだけ肥料を施す方法です。
後から根が浅く広がる野菜を育てたくなったときには、畝を部分的に耕してしまいましょう。
溝施肥の肥料の量はどう考える?
肥料や堆肥は
完熟牛糞堆肥:3~4kg/m^2
というように面積単位で指示がされています。
ここで早速初心者の疑問発生です。
畝を作り溝施肥をする場合、どの範囲を元に肥料の量を計算すれば良いのかがいくら調べてもハッキリしないのです。
①畑全体
②畝
③溝施肥の溝
この肥料量の指示は大きな畑で作物を育てたデータから算出されているとのことですので、実際に作物が育つ範囲として考えれば良さそうです。つまり今回の場合であれば「②畝」が正解でしょう。この畝の面積で算出した肥料の量を一つにまとめて溝に撒くということです。
畦や溝の幅を変えると1本の作物に対する肥料の量が変化するというのもおかしな話ですし、これで問題無いでしょう。
必要な肥料の量を計算しよう
トウガラシに適した土づくりで指示されている量は以下のとおりです。
苦土石灰:150~200g/m^2
完熟牛糞堆肥:3~4kg/m^2
化成肥料(N-P-K=8-8-8):100~200g/m^2
熔リン:50g/m^2
畑の総面積は10m^2で、畝の合計面積は6.3m^2です。
これを元に必要量を計算していきます。
●苦土石灰
(苦土石灰を撒いて耕す作業は既に終わっています。)
苦土石灰は酸性になりがちな土壌を中性に戻すために散布するアルカリ剤です。
畑全体を耕す際に撒いていますので、畑の総面積10m^2で計算しています。
●必要量
苦土石灰:1.5~2.0kg
600gを3袋が適量ですが、畑にまだ石灰が残っていたので少なめに2袋1.2kgにしています。
私はダイソーで600g袋を108円で購入しましたが、実はホームセンターのほうが5kg378円と格安でした。
●完熟牛糞堆肥
畝面積6.3m^2で計算します。
●必要量
完熟牛糞堆肥:18.9~25.2kg
ここでも問題が。
指示されている施肥の単位はkgなのですが、牛糞堆肥はリットル単位で販売されているのです。購入したものは40リットルで16kgでした。
40リットル袋(16kg)×1.5袋=24.0kg
今回は40リットルを2袋で足りそうですね。
価格は40リットル袋が298円(ホームセンター)でした。
●化成肥料(N-P-K=8-8-8)
NPKとは植物の必須三大要素で、
N:チッソ(窒素)・・・葉や茎を育てる
P:リン(燐酸)・・・花や実を育てる
K:カリ(カリウム)・・・根や茎を育てる
という役割があり、それぞれが8%含まれている基本的な配合の肥料です。
こちらも畝面積6.3m^2で計算します。
●必要量(元肥)
化成肥料(N-P-K=8-8-8):630~1260g
1kg程度用意すれば良さそうです。
●必要量(追肥)
さらにこの化成肥料は栽培中の追肥でも使います。
2週間に1度、1m^2に付き30gの化成肥料が必要です。
畝面積6.3m^2のため、
6.3×30=189g
13週間(3ヶ月)として
13×189=2457g=2.5kg
追肥として2.5kg必要です。
合計すると
1kg+2.5kg=3.5kg
5kgを1袋用意をしておけば十分でしょうが、割安だったので10kg袋で購入しています。購入価格は1280円(ホームセンター)でした。
●熔リン
熔リン(ようりん)とは熔成リン肥(ようせいりんぴ)の略称で、リン酸肥料の1種。
リンにケイ酸、マグネシウム、石灰などが含まれた混合物です。
リンは化成肥料に、そしてマグネシウムと石灰は苦土石灰にも含まれていました。8-8-8という基本的な配合の化成肥料を使い、実のなる野菜だからリンを追加するというイメージですね。
こちらも畝面積6.3m^2で計算します。
●必要量
熔リン:315g
500gで十分ですが、5kg袋でしか売っていませんでした。価格はホームセンターで980円です。
マルチも用意しよう
マルチとは畝にかぶせるフィルムのことです。マルチを張ることをマルチングとも言います。
土の乾燥を防ぎ、雑草を抑え、さらに防虫効果もあります。また雨による泥跳ねを防ぎ病気の予防にもなります。作業の手間を減らすための先人の知恵ですね。
自宅から畑まで1kmほどあるために毎日作業をすることができませんので、今回はマルチを試してみます。さてどうなりますか、楽しみです。
今回は幅60cmの畝ですので幅95cmの黒いマルチを使用しましょう。穴の空いたタイプも用意されていますが、今回は穴なしを使います。
幅95cm×長さ50m(穴なし)をホームセンターで購入。598円でした。
畑仕事は考えることが多い
本格的に野菜づくりをするのははじめてですので、調べなくてはいけないこと、考えなくてはいけないことがたくさんありますね。まさか野菜づくりのために電卓を叩くとは思いませんでした。ただ、事前にしっかり考えておけば後々が楽になりそうだなとも感じています。
では早速、作業を始めましょう!